今回は、ノコやノミの手道具だけで、ほぞ加工をする方法についてご紹介します。
プロの方が使う「角のみ盤」や「昇降盤」がなくても、ちょっとした治具を使い、時間をかけて丁寧に作業をすれば精度の高い加工をすることができます。
趣味の木工で本格的な家具づくりに挑戦したい方、このほぞ加工にチャレンジしてみてください。
寸法の考え方
ほぞとほぞ穴の幅は、材の幅の3分の1を目安にしますが、ノミを使って加工する場合は、ノミの幅にあわせます。今回使用した材は、幅が25mmなので、3分ノミ(幅9mm)を使用し、このノミの幅に合わせて墨付けを行います。
ほぞの深さは30mm、材の3分の2ぐらいにしています。


墨付け
手加工で行う場合、墨付けを正確に行うことが大事です。
最初に止型スコヤと差し金をつかって、ほぞの長さをあわせ墨付けをしていきます。

正確な墨付けと加工を行うため、白柿を使います。
写真でわかりやすいように、白柿の線の上に鉛筆でなぞってます。

ほぞとほぞ穴の幅は、毛引きを使って材の中央になるように墨付けをします。
とりあえず8mmの位置に設定しています。
材の目立たないところで、少しだけ左右の線を引いてみます。
実際に三分ノミをあててみて、正確にノミの幅になっているかを確認します。この時に、線の外側を基準にして幅をあわせています。
幅の調整ができたら、ほぞの幅を墨付けします。
さらに毛引きの10mmに設定し直して墨付けすると、このようになります。
ほぞ穴も、毛引きと白柿をつかって墨付けをします。
ほぞ穴の加工
ほぞ穴をほった時に深さがわかるように、ほぞの長さで位置決めして、マスキングテープを貼っておきます。

ほぞ穴とのみの幅をピッタリと合わせて、垂直にのみを打ち込んでいきます。
のみが体の正面にくるようにして垂直になっているかを確認しながら打ち込んでいきます。
特に表面のところは、位置がずれないよう慎重に打ち込みます。
ほぞ穴の端の部分は1mm程度残して、最後に仕上げるようにするときれいに加工できます。
端の部分は、白柿で墨付けした位置にノミの刃先がピッタリとなるようにして位置決めをして打ち込みます。
ポイントはのみがしっかりと砥げていること。きれいに早く加工する条件です。
ほぞの加工
次にほぞの加工です。最初に、縦挽きをしていきます。
ほぞ穴は墨線を含めた幅で加工しましたので、ほぞは墨線上ではなく、その外側の位置でカットするようにすると幅がピッタリとあうことになります。
ノコギリだけでこの精度をだすのは熟練の技が必要なので、簡単な治具を作ってみました。2本の角材を直角になるように接合し、表面に磁石シートを貼り付けただけで簡単に作れます。これを墨線に沿っておきます。(治具の裏面に両面テープを貼って動かないように固定してます。)

磁石シートにノコギリがくっつき、簡単にまっすぐカットすることができます。
使用したのはゼットソーの7寸目。磁石シートを使ったカットをする際、ノコギリのあさりの部分で磁石がすぐにボロボロになってしまいます。その点、この7寸目は、あまり気にならずに使うことができます。ただし、「横挽き」用のノコギリなので、本来は、今回のような縦挽きには向いていません。そのため1/3から半分程度カットができたら、治具をはずして縦挽き用のノコギリでカットしました。最初にカットした部分がガイドラインになるので、治具なしでも簡単にまっすぐカットすることができます。

すべての縦挽きがおわりました。

次に、横挽きですが、四方胴付きのほぞの場合、四辺のカット位置を正確にあわせることが肝心です。白柿で墨付けをした線の上にあらためて白柿をあてて、そこに止型スコヤをあててカットラインを決めます。鉛筆の墨付けの場合、線のどの部分をカットするか微妙に位置がズレてしまいますが、白柿で書いた線は窪みがありますので、その位置に白柿を置くことで正確に合わせるができます。

止型スコヤの代わりに、このような磁石シートを貼った治具を使うと、より簡単・正確にカットすることができます。


機械加工のようにはいきませんが、十分な精度でカットできました。
ほぞの幅は、ほぞ穴に無理なく差し込めて、持ち上げたとき一緒に持ち上げられるくらいの状態がベストです。この幅がきつくなると割れる原因となってしまいます。
ほぞの先端は少し面取りをすると、ほぞ穴に入りやすくなります。
ほぞとほぞ穴は同じ大きさにしましたが、少しきついようです。ただ、縦方向は少々きつくても材が割れることはありませんし、金槌でたたいて入れて簡単に抜けないぐらいの状態の方がベストです。
完成です!!
