今回ご紹介するのは「縦引きガイド」です。
「縦引き」というのは、材の木目に沿ってカットすることを指しますが、「ほぞ」などをつくる時、この治具を使うことで精密な加工ができるようになります。

【杉田豊久さんの「ノコギリ木工」】
この治具は、杉田豊久さんの「手工具とジグで実現する木組みの完全テクニック」という冊子で紹介されていたものを自分で作ってみたものです。
杉田さんは「ノコギリ木工」を提唱されており、電動工具を使わずにノコギリなどの手道具で楽しむ木工方法を紹介しています。電動工具の騒音を気にすることなく、安心・安全、しかも本格的な木工方法です。趣味で木工を楽しむ私達にとっては理想的な方法で、電動工具に頼らなくても「ここまで出来る!!」ということを教えてくれます。
▼横からみたところ。余っていた9mmのMDFを2枚貼り合わせて一つのパーツをつくっていますが、もっと厚みのある材があれば張り合わせの必要はありません。


▼マグネットシートを貼って、ここにノコを密着させます。
▼このように作業台にクランプで固定して使用します。
▼「スペーサー」を間に挟むことでカットする幅を調整する構造となっています。
▼スペーサーは、MDFやベニア、アクリル板、紙など。それぞれの厚みを記載しています。このスペーサーを組み合わせれば、0.1mm単位の幅の調整が可能となります。
▼このようにスペーサーを入れてネジで締めます。
▼マグネットシートで隠れていますが、M8六角ボルト(長さ85〜90mm)を埋め込んでいます。

▼本体側もボルトが貫通するようにドリルで穴をあけています。

▼カットする材はクランプで固定
▼ノコをマグネットシートで密着させてカットします。ノコには「アサリ」があって、使っていくうちにマグネットシートが削れてしまいますが、その際は、張替えをします。私が使っているノコギリは「ゼットソーⅢ8寸目」ですが、それほどシートが削れることもなく、長く使えています。
ブログでは、実際に椅子の製作過程で使用していますので、そちらもご覧ください。