プロの家具工房では、パネルソーや昇降盤、横切り盤などを使って、簡単に直線や直角のカットをすることができます。
趣味の家具作りで、こうした電動工具を揃えることは難しいですね。
でも、「丸ノコ」なら1万円程度で購入できますし、治具を作れば色んな加工をするこができるようになります。
今回は、丸ノコを買ったら、最初に作りたい「丸ノコ定規」の作り方をご紹介します!!
1 アルミバーと丸ノコガイドを使った丸ノコ定規
今回、ご紹介するのは「アルミのフラットバー」と「丸ノコガイド」を利用した丸ノコ定規。
一般的な丸ノコ定規は、アルミバーなど使わず、ベニヤを2段にして、これに丸ノコを沿わせて使用します。
これでも十分なのですが、ベニヤにしっかりと丸ノコを押し当てておく必要あがり、少し気を抜くズレてしまいます。
アルミバーを使用することで、直線の精度も高くなりますし、丸ノコ本体とガイドで挟むことでズレることも気にすることなく、スイスイとカットすることができます。
アルミバーの分、少し費用はかかりますが、DIY初心者の方にはお勧めです。
▼アルミバーを丸ノコとガイドで挟むことで確実に直線カットができます。

▼短い定規と長い定規の2つを作ってみました。

2 製作に使用した材料
<シナベニヤ 厚さ5.5mm>
ベニヤは、ラワンベニヤでも構いませんが、シナの方が表面が滑らかで、丸ノコが滑りやすいかもしれません。
厚みは多少違っても構いませんが、個人的には5.5mmが一番しっくりきてます。
<アルミフラットバー 厚さ3mm、幅30mm、長さ1M>
今回、長さ1Mのバーを30cmと70cmに切り分けて使用しました。
3 製作するサイズの設定
短いサイズは、ツーバイフォーなどの角材用、長いサイズは少し広い板材用に製作しました。
このサイズにこだわらず、自分が製作したいものに合わせて、一番使いやすい大きさのものを作ればいいかと思います。
アルミバーを長めにしたのは、カットの始めと終わりで、丸ノコがずれないようにするため。
アルミバーの右側部分の幅(90mm)は、使用する丸ノコで異なってきます。
また、左側部分(130mm)はカットする際に手を置いた時、使いやすい幅を設定してください。
▼今回製作したサイズ。自分の丸ノコとカットのしやすいサイズで設定を。

▼アルミバー右側の幅は使用する丸ノコの幅。

▼アルミバー左側は手を置きやすい幅で設定

4 製作の手順
(1)シナベニヤのカット
最初は丸ノコ定規もありませんので、ノコ刃の位置がカット線になるように適当な材をあてて必要な長さでカットします。
横幅は、この段階では少し広め(260mm以上)にしておきます。

(2)アルミバーの接着
カットしたシナベニヤにアルミバーをボンドで接着します。
使用するボンドは接着対象に木材と金属が含まれているものであれば何でもいいですが、今回は、アルテコの瞬間接着剤と硬化促進スプレーを使用しました。(これを使えばあっという間に接着できます。)
なお、アルミバーが接着した後に、これに沿って丸ノコで右側部分をカットしますので、この段階では、右側部分は90mmより幅は広くとっています。
また、アルミバーは、この段階では直角になっている必要はなく、多少ズレていても構いません。

(3)丸ノコガイドの製作
丸ノコを購入すると、付属品として「丸ノコガイド」がついていると思います。
このガイドの先端に、下図のような加工をした材を取り付けます。

▼丸ノコガイドがアルミバー(厚さ3mm)に2mmほど引っ掛かる高さになるよう、ご自分の丸ノコの形状に応じて設計してください。(下図は自分の丸ノコに合わせたサイズ)

▼家にあったアカシアの端材(厚さ10mm)を使用しました。


▼通常は、丸ノコガイドは下の写真の向きで使用します。

▼丸ノコ定規で使用するときは、ガイドの向きを反対にして使用します。ガイド先端に取り付けた木材の底面は1mmほど浮いた状態です。

(4)アルミバー右側部分のカット
ガイドを付けた丸ノコをセットして、アルミバー右側部分をカットします。
この切り口をカットしたい材の墨線に合わせてセットして使用します。

(5)直角にカットするための木材止めの設置
長い丸ノコ定規はこれで完成ですが、短い丸ノコ定規には、角材などを直角にカットするための木材止めを設置します。
▼定規の裏面に、定規の切り口と直角になるように材を固定します。一方の先端だけビス止めし、スコヤで直角を確認しながらボンドで接着。

▼ボンドが固まるまでタッカーで圧着しています。

▼完成しました!!

▼以前に製作していたものも含めると3種類の長さのものを作っています。
